空気バネ
空気バネとは、柱状の圧縮空気を含んだゴムと布からなるベローズです。
ベローズ自体が、力を与えたり、過重に耐えるわけではなく、内部の空気がその役割を果たします。
空気バネ:ベローズの構造
[1]防振ゴムの原理と振動伝達率
空気バネとは、柱状の圧縮空気を含んだゴムと布からなるベローズ(ふいご)のことを言います。ベローズ自体が、力を与えたり、過重に耐えるわけではなく、内部の空気がその役割を果たします。
当社では、2層構造を持ったベローズを標準品としていますが、正確に言えばその構造は以下の4層から成り立っています。
- 1.内層ゴム
- 2.1プライ(布コードで補強されたゴムの1層目)
- 3.2プライ(布コードで補強されたゴムの2層目で、1層目に対して特定のバイアス角度に設定されている)
- 4.外層ゴム
当社では、通常2プライの空気バネを標準品としていますが、高い内圧にも耐えうる、高強度空気バネもご用意しております。(「空気バネ選定一覧表(1.6MB)」を参照下さい。高強度空気バネのスタイルNo.が表示されていないものはお問い合わせ下さい。)
この場合、標準タイプの2プライの構造を4プライに増やしたものと、布コードを特殊高強度コードにしたものと2種類あります。
ベローズは全てスタイルNo.で区別されています。この番号は加硫工程でゴムに刻印されています。(例えば、16、1T15M-6など)
しかし、これはあくまでもベローズの番号であり、組立てられた完成品はそれぞれに注文番号がついていますのでこれで分類されます。従いまして、ご注文の際は、スタイルNo.と注文番号をお知らせ下さい。(「空気バネ選定一覧表(1.6MB)」を参照下さい。)
(例)
スタイル:No.22
注文番号:FS-M58-6381
これで、No.22面板加締めタイプの給気口が1/4BSPの標準品注文となります。
空気バネの分類と仕様
形状による分類
取付方式による分類
面板加締めタイプ
- ベローズの上下を面板で加締めてあり、ファイアストン空気バネの標準タイプです。
- このまま取付も可能ですし、角面板を上下に付けての取付も可能です。(上下角面板に関しては、お問い合わせ下さい。)
ビードリングタイプ
- 取付・配管等を自由に設計できます。上下に角面板を取り付けてご使用下さい。(上下角面板に関しては、お問い合わせ下さい。)
- ビードリングはアルミ製あるいはスチール製です。
スリーブ型標準タイプ
- スリーブ型の標準タイプは原則的に、面板加締めタイプになります。(ビードリングタイプはお問い合わせ下さい。)
- スリーブ型は、ベローズ型に比べ上下方向に大きなストロークを確保する事ができます。
スリーブ型特殊タイプ
スリーブ型の特殊タイプで、以下のものがあります。特殊な使用条件に対応します。
- 1M1A-0
- 1M1A-1
- 2M1A
- 2M2A
- 4001
- 7002
- 7010
- 7012
- 1X84D-1
仕様
- 空気バネの中には、圧縮された空気を封入して使用するように設計されています。空気の代わりに、窒素を利用する事も可能です。使い方によっては、水やグリコール液を利用する事もできます。(もし水を使用する時には、角面板や、加締め部分の金属が腐食しないように注意して下さい。)
- 油類は、ゴム部に影響を与えますので使用しないで下さい。
内圧
常用最大内圧は、ベローズによって、以下のように設計されています。
常用最大内圧 | |
---|---|
2プライ・ベローズ(標準タイプ) | 700kPa |
4プライ・ベローズまたは高強度タイプ | 1200kPa |
温度
標準タイプベローズ | −37℃~57℃ |
---|---|
耐熱タイプベローズ | −17℃~107℃ |
耐寒タイプベローズ | −53℃~57℃ |
偏角
ベローズ型
- 1山、2山タイプ
30° - 3山タイプ
15°
空気バネの各部位
大きくわけて、3種類のシール部分について、下記参照ください。
外径400mm以下のベローズ型およびスリーブ型に関しては、面板加締めタイプ、ベローズ型の外径460mm以上のものに関しては、ビードリングタイプを例にあげています。